新 刊 紹 介 |
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書籍名 | 次世代共創マーケティング | ||||
著 者 | 池田紀行、山崎晴生 | |||||
出版社 | SBクリエイティブ | 発売日 | 2014/01/21 | 価 格 | 1.600円+税 |
いま消費者は何を求めているのか、何が欲しいのか。
消費者に直接聞いても明確な答えが返ってこないとも言われます。
多様化・複雑化を極める消費者のインサイトは、グループインタビューやアンケート
といった従来の調査手法だけでは把握・発掘が難しくなってきている。
そんな手詰まり感を打破する1つのカギとなるのが「共創マーケテイングだ」。
共著者の池田氏はソーシャルメディアマーケテイングの、山崎氏はマーケテイング
リサーチ(特にコミュニティリサーチ)の専門家として日々クライアント企業と共に
さまざまな課題と格闘している。そんな2人だからこそ書けるノウハウと共創に
臨むための考え方をまとめたのが本書だ、と「はじめに」で述べられている。
では「共創マーケテイング」とは何か。まず共創とは、企業と顧客が中長期的な関係を
築き深く理解し合う中で、予期せぬ、または期待を超えた新しい価値を生み出すことで
あり、共創マーケテイングとは、ブランドへの支持を高めたり、支持者との関係の中で
しか得ることのできないイノベーションを促進する活動である。
そして共創マーケテイングのベースになるのは、「共創コミュニティの運営」である。
大きく分けて2つある。
一つ目は、顧客がブランドに参加することのできる場(コミュニティ)の運営である。
二つ目は、リサーチの実施である。自社でコミュニティ・リサーチを実施する
「仕組み」を手に入れることができる。
<共創による5つのメリット>
①マーケテイングを「フロー型」から「ストック型」に変える
②新しいアイデアや潜在的課題を「発見」する
③顧客理解の「仕組み」を構築する
④顧客生涯価値を最大化する
⑤買い手を「エバンジェリスト(伝道者)」に変える
<「共創」を実践する先進企業>
事例①味の素株式会社
事例②江碕グリコ株式会社
事例③花王株式会社
事例④キリン株式会社
事例⑤株式会社ベネッセコーポレーション
事例⑥株式会社リクルートマーケテイングパートナーズ
事例⑦株式会社良品計画
いま消費者参加型商品開発の必要性が言われ、また他社とのコラボレーションも
盛んに行なわれています。しかし、“言うは易し”でいろいろ大変な面もある様に
思われます。
本書の「共創マーケテイング」においても継続的な「共創コミュニティ」の運営も
大変だろうし、そこから消費者の無意識的ニーズの洞察、発見をするというのも
大変なことだろうと思います。
挙げられている事例企業も完成形というよりも将来を目指して、その企業なりの
完成形を目指しているように思われます。
(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)