第1140回 マーケティング創造研究会 | |||||
日 時 | 2015年8月26日(水)14:30~16:30 | ||||
テーマ | 「ヒットの謎解き ~元花王の開発者が解き明かす、ヒットの飛ばし方」 | ||||
講 師 | 商品開発コンサルタント 美崎 栄一郎 氏 |
今回は、元・花王の商品開発プロジェクトリーダーとして活躍、
現在、商品開発コンサルタントの美崎 栄一郎氏を講師にお招きし、
最近のヒット商品事例を独自の視点から分析した結果を踏まえ、
ヒット商品を生むための考え方についてご解説頂きました。
・「研究」志向
・「研究」として面白いかがポイント
・ビジネスユニットと機能ユニットの「マトリクス運営」
・ひとつの技術をいろいろな分野に応用する
・「エコ-システム」でお客の声を聞く
・(例)花王の「多視点画像解析システム」
・・・中心の被写体を多視点から同時に撮影できる
・(例)Googleストリートビュー
・・・周りの景色を360度見渡して写真がとれる
・(例)世界最小のラジコンヘリコプター(シー・シー・ピー)
・一歩だけ先へ。突飛すぎると売れない
(例)北陸新幹線、セブンドーナッツ、ブルーボトルコーヒー、肉体改造トレ、
ビヨンドマックスメガキングetc
・一点突破の特徴を持つ
(例)ダイソン、レイコップ、花王(マイナス5歳肌)
・使いやすいキーワードをつくる
(例)じぇじぇ!(あまちゃん)、倍返し!(半沢直樹)、
ありのままで(アナと雪の女王)
・市場や世の中の流れに逆らうな
(例)ダブル特保、NISA、
・ヒットは連鎖する
(例)「恋するフォーチュンクッキー」「アナと雪の女王」
・失敗しても続ける
(例)吉野家「牛すき鍋膳」
・公共性と季節性のあるストーリーをつくること
・見た目に動きがあること
・出たいメディアにピンポイントでリリースすること
前段では「花王株式会社の商品開発の仕組み」についてお話し頂きましたが、
同社が研究開発を上位志向にして「革新的技術の創造による消費者・顧客満足
の実現」のために緻密な組織をつくり、いかに活動しているかが実感できました。
株式会社キングジムの商品開発と花王株式会社の商品開発は真逆のやり方であるという
お話が面白かった。“真逆のやり方”にも関わらずどちらもヒット商品を出し続けて
いるのはどうしてなのだろうか?
「いろいろな業種におけるヒット事例とその裏側」については、いろいろな視点を
ご紹介頂きました。ただ、その中で「一歩だけ先へ。突飛すぎると売れない」という
ことと「一点突破の特徴を持つ」ということとはちょっと矛盾する面もあるようにも
思えました。商品分野や市場状況によって使い分けるということなのか。どのように
考えたらよいのか興味を持ちました。
(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)