Zama book

2014年01月07日
「色彩がわかれば絵画がわかる」布施 英利 著
  新 刊 紹 介 出版社書籍情報ボタン
書籍画像 書籍名 色彩がわかれば絵画がわかる
著 者 布施 英利
出版社 光文社新書 発売日 2013/12/13 価 格 900円+税

 
 著者は1960年生まれ。東京藝術大学美術学部卒業。同大学院美術研究科博士課程修了。
学術博士。芸術と科学の交差する理論を研究している。
 著書に『脳の中の美術館』『体の中の美術館』『美の方程式』『構図が分かれば絵画がわかる』
他多数。
 

 内容は絵画鑑賞のための色彩論というよりも「色彩論」そのものとも言える。
 一般的な色彩論の本を読むと、まずはじめに三原色や色相、明度、彩度といった事柄が
「こういうものだ」という形で公理のように出てくる。
 しかし本書は、色を見ている時に人間の目ではいったい何が起こっているのか、
そもそも色とは何なのでしょう?というところから分かりやすく解説されている。

(主な内容)

第1章
 1 色彩学の基本・・・三原色・混色・補色
 2 色の特性・・・色相・明度・彩度etc
 3 ゲーテの色彩学・・・順応・対比・残像

第2章
 1 四原色説
 2 赤と青・・・進出色と後退色etc
 3 白と黒・・・膨張色と収縮色
 4 赤と黄と緑と青・・・暖色と寒色

第3章
 1 調和
 2 球体の宇宙

 

・カメラの目(ニュートンの色彩学)と人間の目(ゲーテの色彩学)の違い

・色の美しさというのは、一つの色ではなく、色と色が組み合わさった多色感にある。

・色と形というのは、視覚表現にとっては、ともに大切なものだが、形は色彩に秩序を与える。

・色は三原色なのか、それとも四原色なのか・・・最近の知覚生理学では、網膜の錐体細胞では三原色、その先で情報処理をする水平細胞などのところでは四原色であるといわれ、・・・人の目から脳へと、視覚情報が処理されていく中で、ある時は三原色、あるときは四原色であつかわれている。

・錯視の例としてよくあげられる二本の横線がある。ひとつは両端が←→、もうひとつは両端の矢印が逆に内側を向いている。実は二本の横線は同じ長さなのだが、矢印が内側に向っている線の方が長く見える。それは何故か。
 この二つの線の矢印について、どちらも上端と上端、下端と下端を結ぶ線を引いてみると、どちらにも上向きと下向きの二つの台形が現われる。そうすると←→につくられた上下の台形は小さく、矢印が内側に向っている方につくられた上下の台形は大きくなる。

・なぜ赤はあたたかい色なのか・・・赤色の隣にある赤外線が、「熱線」としてあたたかさを放射していることが関係しているとも言われる。

・五億年前に生物に目が誕生したと言われる。目の誕生とともに生物は爆発的な進化をし、生き物の体の形や色がさまざまなバリエーションをもちはじめる。
 目ができると、それが仲間の目を引きつけたり、敵の目から逃れるために威嚇や警告をしたり、敵の目をだましたりと、いろいろな形や色の体へと進化がはじまった。
 



 まさに「芸術と科学の交差する理論」であり、色について目を開けさせられた読後感でした。
特にマーケテイング関係の本にもよく出てくる「錯視」の解釈は面白いと思いました。
 
(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)

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