新 刊 紹 介 |
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書籍名 | 値上げのためのマーケテイング戦略 | ||||
著 者 | 菅野 誠二 | |||||
出版社 |
クロスメディア・ パブリッシング |
発売日 | 2013/11/13 | 価 格 | 1.680円+税 |
いま円安による輸入原材料費の値上がりや本年4月の消費増税に向けて商品の価格政策が模索されています。また大手コンビニの高価格のPB商品が売れています。誠にタイミングのよい書名と思い読みました。
著者は、ネスレ日本(株)、ブエナ・ビスタ(ウォルト・デイズニー・カンパニー ビデオ部門)マーケテイングディレクター、マッキンゼー&カンパニーにて経営コンサルタントとして活躍。現在、ボナ・ヴィータ代表取締役。ビジネス・ブレークスルー大学教授。
(主な内容)
◇ 価格戦略下手企業4つのシンドローム
◇ 『顧客価値創造プライシング』とは何か?
・・・同一商品でも異なるセグメントのお客様には、
時と場合によって感じて頂ける価値が異なるので、
それぞれに価値を創造し、最適価格をつけて儲けるための手法である。
◇ 顧客にとってコストはPain(痛み)
・・・大きな出費に対するペインを忘れさせる、もしくは正当化する理由が必要だ。
◇ SWOT分析をしてマーケテイング上の課題を抽出する
◇ 顧客のニーズとウォンツをつかみ取れ
◇ 顧客に提供する価値の創造をする
◇ 価値を伝達する
◇ 新製品導入時のプライシング戦略・・・顧客価値をつかむ
◇ 既存商品のプライシング戦略・・・心理的プライシングで顧客価値を創造
◇ 価格戦争に向けて想定し得る対策
◇ 顧客価値創造プライシングをするために必要な分析手法
◇ 価格戦略の責任部署をつくり実行する
初めから終わりまで価格戦略についての考え方や技術を述べているのではなく、まず「顧客価値をどのようにして創造してゆくか」について多く述べられている。基本的に顧客価値創造に関する自社の理念やビジョンや戦略があり、それに伴って価格戦略が生まれてくる。価格戦略が初めにあって顧客価値が生まれてくるわけではない。その通りです。
後半に展開されている顧客価値創造プライシングのための分析手法や「価格戦略の責任部署をつくり実行する」は、価格戦略が喫緊の課題になっている現在だけでなく、今後の日本企業にとって実践する必要性のある重要な事柄のように思われます。
(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)