第1122回 マーケティング創造研究会 | |||||
日 時 | 2014年11月5日(水)14:30~16:30 | ||||
テーマ | 「消費者の自発的参加行動を促すメカニズム」 | ||||
講 師 | 慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 准教授 山本 晶 氏 |
今回は、慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授の山本晶先生に
「消費者はもはや受動的なターゲットではなく、コンテンツを創造、投稿、
共有するマーケティング活動の共同開発者」という視点から「どうしたら
消費者が自発的参加行動(エンゲージメント行動)を起こしてくれるのか」
について事例を交えてご解説頂きました。
・工学:
ヒューマン・コンピュータ・インタラクションのデザイン・フレーミング
(Kraut and Resnick 2012)
・行動経済学:
ナッジ (Thaler and Sunstein 2009)
フレーミング効果(Tversky and Kahneman 1981)
・認知科学:
アフォーダンス、シグニファイア (Norman 2002。「 2010)
・社会心理学:
人を動かす6つの原則 (Cialdini 2006)
ゲーミフィケーション (Zichermann 2011)
・マーケティング:
文脈依存効果
ブランド・リレーションシップ
・仕掛学:(Matsumura 2013)
・デザイン・フレーミング並び替えの効果
・デザイン・フレーミング「名指し」の効果
・インセンティブを与える際の注意点
・可視化の重要性
・デフォルトの力
・フィードバックを与える
・複雑な選択を体系化する
・エンゲージメント行動(動機と意識)の分類(タイプ1~タイプ3)
・タイプ1の事例
・タイプ2の事例
・タイプ3の事例
どうしたら消費者は自発的参加行動(エンゲージメント行動)を
起こしてくれるのか、関連分野の研究とカンヌライオンズ 国際
クリエイティビティ・フェスティバルの受賞作品等の成功事例から、
わかりやすくご解説頂きました。
最後に「おススメの参考図書」もご紹介頂き、大変参考になりました。
エンゲージメント行動促進の関連研究とそこからわかったこと、
さらには事例の紹介等から、単にエンゲージメント行動だけではなく、
消費者行動全般に渡っての新しい次元での研究が必要になってきている
ことを感じました。
ご紹介頂いた関連分野の研究や脳科学・五感研究等の知見が新しい
次元を切り開いていくのだろうと思います。
(マーケテイング共創協会 座間 忠雄)